V系ミュージシャンが「ルックスじゃなくて音楽を評価して欲しい」って言うのと、和太鼓奏者が「肉体じゃなくて音楽を評価して欲しい」って言うのは根本的に同じ問題で、つまり「化粧」を止めて勝負してみれば答えは出るんじゃね?という話を前回書きました(書いてない)。
さて、プロである以上音楽が素晴らしいのは当然で、音楽以外の部分でも”カッコいい”事が求められます。ショービジネスとしての和太鼓の歴史を遡れば、そのカッコよさを世間に印象づけた音楽以外の要素が「奏者の磨き上げた身体と精神」だったという事は明らかだと思います。
ただ、これは音楽家全体に言える事だと思うんですが、音楽以外の部分が音楽のカッコよさを上回っちゃダメです。そうなったら、それは音楽家じゃなくて、アイドルとか別の何かです。本業はおろそかにしちゃいけないぜって話ですね。
和太鼓って音楽なの?と俺に聞いた人がいました。多分その人は、和太鼓奏者をミュージシャンではなくパフォーマーだと思ってました。それは確かに一つの正解で、全然間違いじゃないです。ただ、俺はミュージシャンになりたかったのです。
BATI-HOLIC は結成時には踊り演目も採り入れていたので、グループとしては ”プロパフォーマー”の道のりを歩んでいました。そんな当時でも、いかに和太鼓をポップに聞かせるか、もがいてました。その頃の作品はというと、
この辺りですね。2年くらい前の映像で、今でもライブで演奏してます。
太鼓でゴリゴリ盛り上げるのは、やっぱり楽しいですね。お祭りで和太鼓が担っている本来の役割だと思います。自分なりの作曲ルールが出来てきて、色々試していた時期です。
そして2011年頃でしょうか。メンバーから踊り手がいなくなってしまった時、俺たちはミュージシャンなのかパフォーマーなのか、選択を迫られました。俺の趣向はもちろんですが、黒さんも充も元々バンドマンだから答えはすぐに出ました。ちなみに平くんは小学生の頃ピアノを学んでいたそうです(全くイメージに結びつかない)。
なんとなくこの世界に入ってしまった俺に、ようやく音楽家として自意識が芽生えてきました。自然と「自分らしい音楽とは何か」考えるようになっていました。
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